Amazonがヤマト運輸をパートナーに選定。中小販売事業者に注力

アマゾンジャパンは10月5日、アマゾン最大のECイベント「アマゾン ECサミット2021」を開催。

初日となる10月5日は、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長がキーノート(基調講演)を行い、その後中小企業庁の佐々木啓介経営支援部長が講演、そしてヤマトホールディングス、ヤマト運輸の長尾裕社長とアマゾンジャパンセラーサービス事業本部の永妻玲子事業本部長の対談が行われた。

アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は、今年の11月で日本国内でアマゾンがサービスを開始してから22年目を迎えるとし、まず現在の状況を説明。「アマゾンに出品している日本の中小規模の販売事業者数は約16万社。日本の中小規模の販売事業者はアマゾンで5億点以上の商品を販売し、平均で毎分 900 個以上の商品を販売。また、商品の在庫保管・配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用する日本の中小規模の販売事業者数は 8万社以上だった。アマゾンに出品する日本の中小規模の販売事業者において、海外販売の商品販売個数は前年同期比で 55%以上の増加となった」と解説した。

中小企業庁の佐々木啓介経営支援部長は中小企業のDX支援とその中身を解説。「コロナ禍の前から日本では設備投資が軟調で、米国などに比べると差は広がる一方だった。一方国民の消費はコロナ禍で確実に落ちたものの、国民の貯蓄は逆に高くなり、経済循環しない状況が続いている」と現状を分析。

そのため「経済×カーボンニュートラル、経済×経済安保、経済×格差是正、経済×健康をキーワードにそれをデジタル技術が支えていくとし、モノづくり、IT支援、持続化についての補助金を用意している。中小企業庁はコロナ禍の中の中小企業を全力投球で支えていく」と話した。

長尾社長は「昨年のコロナ禍の開始から、やはりEC需要は拡大を続けている。一度ECを利用するとオンライン消費は定着し始めた。諸外国から比べてもその割合は少ないことから、今後益々伸びるものと考えている。ただ、懸念なのは、少子高齢化に伴う労働人口の減少、特に物流人材の減少。そのため、この春からヤマトホールディングスの下にグループ会社がぶら下がる形だったが、それを1社にまとめ上げた。これにより、物流の上流から下流までの経営資源を全社的に有効活用することができるようになった」とし、EC分野で様々なサービス展開が可能になったと述べている。

その一つが2021年後半からスタートする「マーケットプレイス配送」だ。永妻玲子事業本部長は「アマゾンに出品している販売事業者が、自社出荷を行うすべての商品を対象として、ヤマト運輸が提供する宅急便、宅急便コンパクト、ネコポスの配送サービスを両社の連携により実現した特別運賃で利用できるサービス。ヤマト運輸との連携で実現したサービスで出荷作業が大変な中小企業に向けてのサービス。マーケットプレイス配送サービスを通じて、中小規模の販売事業者の ECビジネスの成長をより一層、サポートさせていただきたい」と話した。

今後、両社は「マーケットプレイス配送」実現に向け、パートナーとして協業していく予定だ。

 

引用元 https://www.lnews.jp/2021/10/n1005302.html

Amazonとヤマトはハネムーン状態をどこまで続けるのだろうか。佐川と郵政が協業に踏み切り、楽天もこちらの陣営という構図。今後の動向を注視したい。